【 第136回の補助線 十一本目 】 『ミンでマックス』な人たちよ 集え このコースに...
2018年 2月号 第136回 皆集えよ あの旗の下に より...
―――― あのね、しーさん。理想を掲げてるだけじゃご飯は食べられないかもしれないけど。育ちも考え方も違う人たちが結集まって同じベクトルで突き進むためには...
・・・キーパー、ちょっと聞きたいことがあるンすけどぉ 」
なんだよ、改まってぇ。まぁ そこにお座りよ、
―――― 高校の三年生ともなると この時期は受験行脚に忙しい連中と、行き先も決まって モラトリアムな奴らとの二極化でありますか。疾うにこの春の 調理の専門学校への入学が決まってしまっている、居酒屋のマスターさんの娘のまっちゃ。今日は“シェフのお奨め”が 地元のお店の手作りの食材を使ったアヒージョ... と云うことで。わざわざ送迎バスに乗ってやってきて バイキングカウンターの内側で“見学”しておりましたが、お昼も一段落でありまして...
◤ で? どうしたえ?
『まっちゃん。どうせなら しーさんにコーヒーくらい持ってこないとぉ』
「あっ、お嬢姉さん スイマセン ...てか、キーパーはビールかハイボールでなくて良いんスか?」
『さっきまで お客さんと呑んでたでしょ。しーさん これからまたコースなんだから、コーヒーで良いの。ほら、あんたの分。カウンターの手伝いの日当の代わりに、ショコラケーキも持ってきたから』
「アッザァ~ス、ゴチになりッすぅ...
...あっ、ウマぁ~。これ、この間キーパーが話してたお客さんの差し入れッすか?んもぉ、日曜日にって言ったのに もぉ持ってきてくれたンすかぁ?油断できないッすねぇ」
えぇと、あたしに聞きたいことてのは、このケーキが何時届くかだったのかな?
「・・・あっ、ソレソレ。ソレッす」
じゃぁ、ゆっくりお食べて... って、もぉ胃の腑に収まっちゃったのかいな、
「いや、そうじゃなくって...」
―――― だ か らぁ...
「キーパー、あのですね 『ミンでマックス』って、微妙すぎますよねぇ」
な? ...なにそれ?商店街のドーナツ屋の新製品かえ?
「いや、そうじゃなくって」
スマホのオンラインゲームかなんか?
「だから 違いますって」
十把一絡げの アイドルグループとか、その新曲とか?
「だ か らぁ ...キーパー、もしかして 本当に知りません?『ミンでマックス』?」
すみません、寡聞にして『ミンでマックス』知りませんです、
「ホントにぃ?」
◤ 本当に知らないんだってば...
「んもぉ... しょうがないっスねぇ」
あいすみません ...てか、それがどぉしたの?
「だ か らぁ、微妙すぎますよね?『ミンでマックス』って」
だ か らぁ、そも『ミンでマックス』なに?
「合い言葉ッすヨォ。最近レストランにちい姉さんがヘルプに来ると『まっちゃ、ミンでマックスだよ!』なんて言ってるンスよ」
う~ん、いまひとつ 理解がいかないんだけど...
「だいたい ちい姉さんをヘルプに呼ぶ時って、忙しさマックスで ワァ~って時じゃないッすか。そぉ云う時に『ミンでマックス』って...」
―――― ミンでマックス、一向判じ物じゃないか
「だ か らぁ... 『ミニマムな人数で頑張って マックスな売り上げを上げようね』って 意味じゃないッすかぁ」
あぁ~“MinimumでMaximum”なのね ...それなら ちぃままも、少数精鋭で頑張ろう ...って云えば良いのにねぇ、
「キーパー、忙しくって キィ~ってなりそうな時に『しょうしゅうしぇいえいで』なんて まどろっこしくって言ってらんないッすよ」
―――― おぃおぃ、ちぃままの噛む癖が遷ったのかえ?
「ただねぇ、スゴク言ってることは良いことだと思うんすけどぉ ...『ミンでマックス』は微妙すぎますよねぇ。ただ それがぁ、お嬢姉さんも やも姉さんも、ちい姉さんと一緒になって『ミンでマァ~ックス!』なんて言い合ってるンすよぉ。で、『まっちゃも一緒に言わないとダメだよぉ。チームワークなんだからぁ』って アタシに言うンですけどぉ ...アタシィ どぉもぉ・・・」
―――― やれやれ、あいつら束になってまっちゃをからかって遊んでやがるな
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2037914546497982&id=1677137362575704
...動画はこちらから(未編集の撮って出しですが ...『臨場感あふれる』と云うことでw)
「あっ、キーパー。遅くなっちゃって悪かったねぇ」
―――― っと。地元の商店街の束ね役の肉屋さんが、お年季ものの木箱を重ねたのを抱えた いかにも実直そうな若い衆さんを連れてやって参りましたが...
いえいえ。ちょうど今 若い娘さんの、おもしろい話を聞かせてもらってぇたところでしてねぇ、
「コイツ、電話で言った 和菓子屋の三代目」
「どぉも、この度はお世話になります」
いやいや、こちらこそ よろしくどぉぞ。まぁ おかけ下さい。 ...まっちゃ、悪いけど コーヒー三つ頼むよ、
「はぁ~ぃ、ただいまお持ちしまぁ~す」
「あっ、それでしたら 緑茶をお願いして良いですか?今日は試食用に うちの和菓子持ってきましたんで。お茶も僕のお奨めの 良いのを持ってきましたから ...あっ、どうせなら ボクが淹れましょうか。チョットしたコツがあるんです。本当にミニマムなコツなんですけど、味はマックスで美味くなるんです」
「あっ ソレ、ミンでマックス?教えて教えてぇ」
「? ...良いですヨォ。キーパー、お試しのお菓子、沢山ありますから。スタッフの皆さん呼んで試食してみて下さい」
すりゃぁ 恐縮です ...って、こんなにたくさん良いんですか?いやいや ありがとうございます。遠慮無くご馳走になりましょう...
―――― さてさて、地元貢献とか地域振興とか、お世話になるとか お世話するとかでなくて。もちろんコラボだとかwin-winだとかの 良くある話でもない。まぁ、地元の商店街のいろんなお店さんと うちのコースのお付き合いの輪がどんどん広まっておりますが、いかな方へと進んでまいりますやら。なんせ現場の人間も五里霧中。とまれ コースの連中にも声をかけてやりましょうか...
A Golf Courase Maintenance Fable
Another Time Another Course
...From His Field Note 2018_02_08 / Snow was flickering in the afternoon
そを人は 虚実の皮肉と云ふさうな...