From His Field Note : グリーンキーパーの野帳から

一季出版(株)発行 月刊ゴルフマネジメント誌連載中の –グリーンキーパー の野帳– のスピンオフと申しましょうか 補助線と称してあれこれと...

【 第136回の補助線 十二本目 】 濃ゆき女性どもも集えよ このコースに...

2018年 2月号 第136回 皆集えよ あの旗の下に より...

 ―――― う~む。なんか、もの凄い話になっちゃっていないか...

 


 

...ホラ行くよっ ...ったく グズグズしないっ」
「あっ、はぃ~」
「じゃぁsibakuro、さっきの件。ちぃままと事務長コジュッケさんともよく相談して なる早で提案なり改善策を。最長で一週間。それ以上は待てないからね」

◤ はぃ~

「なに?その腑抜けた返事は? ...ったく、ここのコースの男共ときたらぁ...」
「キーパー、オレさぁ...」
「副支配人っ、お前 昼日中からsibakuroと 男同士の愁嘆場?いい年して気色悪いったらありゃしない。おいでったら ...あんた、今日は帰れないからね。覚悟しときなよっ」
「はぃ~」
「それから sibakuroっ。コイツのタイムカード。定時に押しといて。グズグズ仕事されて残業だなんてとんでもないから ・・・だから荷物もって ...車廻して来る?そんな無駄なことしなくて良い。あたしには二本の足があるの。あんたがモタモタ車廻してくるより、自分の足で歩いた方がよっぽど早いから ...だから 速く歩きなさいってのぉ...」
「はぃ~」
 ―――― やれやれ、もう直に改装工事に入る インターの脇のモーテル ...改装後は 普通にホテルとしての営業になるとのことでありますが。とまれそちらに着任する『氷の女王』と渾名された 妙齢の支配人が足早に... その背を小走りに追いかける 副支配人でありますがぁ ...あれじゃまるで『引かれ者』じゃぁないか。それも 意気がって小唄でも鼻の先に乗せられれば良いんですが、あぁまでしおしおのパー、、、、、、、 で、あっちモーテルについてから使い物になるんだろうか ...はなはだ疑問だ

「kurokoさん、それではまた。あなたもたまには わたしのお店レストランにも 遊びに来て下さいな」
 はいはい、お疲れ様でした ...てか、先にも打ち合わせでお邪魔いたしまして、その節はごちそうさまでした」
「いやだ、kurokoさん。お仕事じゃなくて、プライベートで ぜひどうぞ。特別なお料理でおもてなしさせていただきますわ ...もちろんお連れ様のことを漏らしたりするようなこと、絶対にありませんから」
 ―――― おいおい
「それでは ちぃ子ちぃまさんや、お嬢 シェフにもよろしく」
 ―――― って、つぶら、、、で黒目がちな 潤んだその瞳が『三人とも うちレストランのスタッフに欲しいの...』ってる インターの脇のレストランの副支配人さんでありまして...

「あら、わざわざお見送り?sibakuroさんもお忙しいでしょうに。 ...それとも お送りしたかったのは、わたくしではなくて あの二人だったのかしら?」
 ぃや ですからね...
「sibakuroさん、あなた。この春からあの子マムも レストランとホテルとここゴルフコースの総支配人で 忙しくなりますから。ことに ホテルはリニューアルと云うよりは 新規オープンのようなもの。それも モーテルからの業態の変更ですから、いかがわしいイメージの払拭から初めて、いろいろ大変だと思いますの。それに レストランも、去年の春の買収この方揉めに揉めてきましたけれど、やっとチーフコックを始めとした 素性の悪いスタッフを切ることが出来ての再スタート。春から落ち着いて仕事ができるのはここコースだけ。ですから、sibakuroさん。あなた。あの子マムがレストランとホテルの仕事に集中できるように、 ちぃ子ちぃままさんと良く協力して。お願いしますね。そうそう事務長コジュッケさんも、ゴルフ場については そろそろ、ある程度までならsibakuroさんの裁量で営業らせてみても良いかも知れないって、仰っていましたわ...

◤ ...すりゃ 悪い冗談でないのか

「あなたもこの春から 副支配人兼グリーンキーパーですからね。自覚と責任。なによりも プライドを持ってね。自信を持って お客様に接して、コースを拵えていただきたいの ...大丈夫。あなた、sibakuroさんならできるはずですよ」
「はぃ~」
「そのお返事、理詰めさんがお聞きになったら なんて仰るかしら? sibakuroさん、そう云う小さな受け答え一つからね。もう 今日の。今此の時から 副支配人らしく振る舞っていただきたいのよ。そうすれば、すぐにあなたの内側からも 副支配人らしい考え方や行いが産まれてくるはずですよ」
 はい。以後、重重 気を付けて日日を過ごすように致します...
 ―――― あぶなかった ...語尾に『です』がくっついて、『...致しますです』になっちゃうところだった...
「そぅ、よかった。わたくし、あなたには期待しています。あなたには 只のグリーンキーパーで終わって欲しくないって、わたくし申しましたでしょう。あなたには 副支配人の椅子も一つのステッピングストーンとして、さらに上の立場に立っていただきたいの。このコースのみならず、レストランやホテルも。そして来期以降の事業展開の中でも より高い立場でグループ全体を牽引していってくれるような、ね。そのために sibakuroさん。あなた。今から 大所高所の視点を忘れないで下さいね。それから、小さいところ低いところからの視点も。ミクロとマクロ、両方の視点を意識して ...はいはい。今行きますよ。本当にせっかちなマムねぇ。では sibakuroさん。ご機嫌宜しゅう ...あっ、そうだわ。来月からのこの会議。あなたにも、最初はオブザーバーとしてでも良いから参席させて貰えるようにいたしましょうね。それが良いわ。かの子マムには わたくしから話しておきますわね...」
 ―――― えぇと、車を回してきた女将マムが、ずっとお待ちでありましたですよ。とまれ 話しに熱が籠もって止まらなくなっちゃってぇた姉様。助手席から やんごとなき、、、、、、方方のように手を振りつつの ご出発でありまして...

 

「いやぁ、凄ぇもの見ちゃったなぁ。キーパー、あれはどこの美女軍団よぉ」
 ぅわっ ...ビックリしたなぁ、もぉ...
 ―――― 毎月第二日曜日は 事務局さん主催の月例会でありましてね。今月二月も御定連の皆さん お揃いでありまして。スタート表を見ているかぎりは『事務局さんの分裂』騒ぎなんかは、ただのフェイクニュースだと思われてならないのでありますがぁ
「・・・いや、姉様は判ってるよぉ。後の二人 ・・・去年の春に買収したレストランの副支配人と、この春改装してオープンするホテルの支配人?ぃやぁ、かたやバリバリのビジネスパーソンに。こなた 色香ムンムンのママさんタイプ。今日は レストランとホテルとコースの 頂上会議? へぇ ...姉様もマムも、凄いのを集めているねぇ ...本当にキーパーのトコってさぁ。すっかり女の園じゃぁないかぁ ...てか、あんなのばっかりじゃぁ、さしものオレも縮み上がっちゃうなぁ ...わはははは」
 いや、笑い事っちゃぁないですよ ...てか、
『おぉ~い、チョットコォ~イ』
 ―――― つい今し方までの頂上会議に 男一人でご出席であらせられた、事務長のコジュッケさん。さしもの小父さんの『ちょとこい』のコールもへろへろ、、、、でありますや...

 


A Golf Courase Maintenance Fable
Another Time Another Course
...From His Field Note 2018_02_11 / The Sunday after the rain

そを人は 虚実の皮肉嘘と真の綱渡りと云ふさうな...