【 第137回の補助線 一本目 】 僕達の 勉強会の いろんな事情 2018 ( ...その1 )
2018年 3月号 第137回 僕達の時事問題と恋愛事情 2018. より...
―――― この“失われた二十年”のうちにこの身に染みついたデフレマインドってんですか?『増える』とか『上がる』って方向から、ついつい反対の方にね…怖いですねぇ...
…ハイボール二つ、お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」
「はいはい、いただきますねぇ・・・・・・
◤ ...どうしました?
「えっ? ...いやいや、こないなぁ~ってさぁ」
―――― 小父さん小父さん、まぁた そんな風に露骨にお尻を目で追ってぇるんだからぁ... 女の子たちって、そぉ云うところは敏感なんですよぉ
こないって、注文したハイボール二つ来ましたよ、
「いやさぁ、キーパーのトコロて、何んかしら美味しい“お試し”が食べさして貰えるってぇのにさぁ。私には無いのかなぁ~、それとも これからお嬢とかちぃさまが『お待たせしました、こちらは寡ちゃんからのお試しで...』なのかなぁ~」
―――― 多分無理だと思う
「ぅ~ん ...とりあえず 乾杯?する?」
―――― って ハイボールのジョッキを手にしつつも、下ネタの小父さんの視線はまだ バイキングカウンターの方に泳いでおりますが...
「おかしぃなぁ ...あ、とりま 乾杯ね、乾杯キーパー。毎日お疲れさんですヨォ」
―――― きんきんのジョッキを傾けて喉を鳴らしながら、相変わらずホールの女の子を目で追っているんですよ、この人ってば...
「なんか小腹が空いたね、キーパー。なんかチョット摘まめるモノでも頼もうか?いや、もちろん私の伝票で良いんですけどね...」
―――― ったく、これ 聞こえよがしに 何を言ってるんだか 言おうとしてぇるんだか、この小父さんわぁ...
「で、さぁ。ついにsibakuro塾も合宿やるまでになっちゃったそうだねぇ、キーパー。ご発展でなによりっ」
だ か ら、sibakuro塾とか 言わんといてくださいよ。みんなで面白がって囃すから、本当に変な噂が一人歩きしちゃってさぁ。こっちは本当に迷惑してんですからぁ、
「いや、ワタシがsibakuro塾言ってるわけじゃぁないですよぉ ...それよか、キーパー聞いてる?あの あっちゃんが、sibakuro塾が合宿をやるって情報に対抗して 勉強会を急遽開催したって ...いや、sibakuro塾じゃなくて、sibakuroさん主催の勉強会だったよね」
あたしゃぁ 主催なんかしちゃおりませんですよ、
「あっちゃんの方の勉強会に集まってたキーパーとか、タブ公やノート坊はじめとする 業者連中もね。この期末で予算やらナニヤラで忙しいときにさぁ。そろそろ春の仕事が目先に迫ってきていて、ゆっくりできるのもあと少しってこの時期に 緊急招集ってさぁ ...みんな 口にはしてねぇけど『大概 いい迷惑』ッてくらいにしか 思ってナイんじゃぁないの?」
◤ あれまぁ...
「で、さぁ。招集に応じなければ応じないで、あっちゃんのご機嫌が斜めッちゃうでしょ。みんな遣り繰りして 夕方あっちゃんのコースに集まったんだけど。お昼のレストランから始まって、コンペルームの勉強会も 夕方のパーティも。コースのスタッフがよそよそしいってぇか ...いかにも迷惑がられてるのが アリアリとしてたんだってさぁ。『もともとアウェーなんだけどさぁ、完全に敵地。敵地の虜囚 ...The Prisoner of Enemy Territoryってやつだったよぉ』ってさぁ」
それ言ってたキーパーさんは、スマホのゲームとか やりこんでらっしゃるんですか?
「あの、スマホの小さい画面覗き込んでピコピコぴこぴこってさぁ、よくやってられるよねぇ ...まぁ、それはおいといてさぁ。とにかく、あっちゃんが一人で張り切ってたけど、支配人始め 廻りのスタッフはヨソヨソしくてトゲトゲしてるしで 勉強どこじゃぁないし。夕方のパーティーなんか 雰囲気悪くって、飯の味だって覚えてないくらいだったって ...キーパーのトコの勉強会はどうだったの?ヒトマワリの大将とか シーサイドさんに聞いても『まぁねぇ...』とか『それなりにぃ~』とか、はぐらかすばっかりでさぁ」
まぁ、うちの方は みんなして呑んで喰って与太飛ばして一晩遊んでぇただけなんでねぇ。勉強になったかなんて聞かれても、聞かれた方が困っちゃったんじゃぁないですか?
「それに、タブ公やノート坊は『僕たち わたしたちにはお声をかけて貰えなかったんですよ』って、随分とぼやいてたよ。『先に声をかけて貰えれば、「先約があるから」で 断れたのに』ってさぁ」
同日開催じゃぁないんですから、結局呼び出されて 二連ちゃんの憂き目でしたでしょうよ、
「あっちゃんもキーパーも、ホントにつれないなぁ。ワタシ、ドッチも声かけて貰えなかったんだよねぇ...」
―――― いい年して 拗ねたような上目遣いは止しなさいってば
「...あっ、ゴメンね。コレ、お代わりお願いね」
『はい、すぐにお持ちします』
「あっ、今 お嬢のキッツい視線は ...ワタシじゃ無くて キーパーにだよね。『しーさん、飲み過ぎちゃダメよ』って?んもぉ、キーパー 相変わらずのご艶福っ」
よしなさいってば、だいたい 声 大きいんさ...
「それにしても、なんか腰つきが大人びてきたねぇ…」
―――― そぃから、お嬢のお尻を目で追うのもねっ
「だけど、あっちゃんも 焦りすぎ?なんか最近さぁ。俺たちも顔色伺うの?忖度? ...大変なんだよ。そのくせ 先回りされるとすぐに機嫌が悪くなるとかさぁ。最近は『ありゃ あっちゃんじゃぁなくって“あぁ~さま”だよ。いったい 何様なんだか』なんて 言ってるヤツもいるくらいでさぁ ...あっ、オレでも タブ公やノート坊じゃぁないからね…」
「ハイボールのお代わり、お待たせしました。空のグラスはお下げいたします」 「はい、アリガトねぇ~ ...あれぇ?」
って、こんどは?
「いや、ほらぁ…『ヤモちゃんからのお試しですぅ~』が ないじゃぁ~んねぇ...」
―――― だ か らぁ、持ってきてくれるわけないじゃん。そのくらい気がつきなさいってば...
A Golf Courase Maintenance Fable
Another Time Another Course
...From His Field Note 2018_02_21 / The sky looks overcast today
そを人は 虚実の皮肉と云ふさうな...