【 野帳の補助線 -第135回の 三本目- 】 僕らの旗日の勉強会も『ゆく年来る年』
2018年 1月号 第135回 ヤニ喰い共の『ゆく年来る年』より...
―――― はぁ。えぇと、そのお題でしたらぁ、グリーンキーパーは品質管理者である…で、如何でしょぉ、 「そのこころは、一年日がさら*PDCA を廻しているからとでも言いたいのか?
…ったく 土曜日ですよ。今日は ど よ う び」
だって今年の仕事ももう手仕舞いじゃね?町はクリスマス一色じゃぁねぇの。こっちだって 門松なんかも拵え終わってるし。あとは管理棟と整備庫 車庫の掃除とかボチボチやってりゃぁ、あっという間に除夜の鐘じゃん。その前に一回今年の締めをやっておかねぇと。一年の区切りってやつがさぁ...」
◤ すりゃ そぉかもしれませんけれどもね...
「だからって いきなし土曜日にやりますか?勉強会と称する昼酒会をぉ」
「良いじゃぁねぇのよぉ。少なくともここのコースの飯は、お前さんのトコより おれのトコより安くて美味くて 気が効いているし、ウエイトレスのあのブロンドのお嬢さんは お前さんのトコや おれがトコの誰より可愛くてツンデレだ」
「んもぉ、ワケがわかりませんよぉ」
「へぇ、芝生のイケガミ先生にも 解らないことはアルのかいな?」
―――― 寒さもちょと緩んだ 天長節の土曜日であります。昨日いきなりの“幹事長からの緊急招集”で開催の 今年最後の勉強会は ハイランダーさんとシーサイドさんの三人会と相成りまして、№10Holeこと アプローチ練習場の上で四方山話の真っ最中...
「で、どうよ?」
「だ か らぁ、あぁたの悪い癖で 主語が抜けてるんだってば」
―――― そこ、激しく同意したい
「なんだよ センセイ。本当に立て付けが悪いなぁ」
「そのココロは『どちらもサッシが悪いでしょう』って?sibakuro君。ハイランダーさんの座布団一枚持ってって」
「かぁ~ センセイ、ベタな返しだねぇ」
「悪ぅございましたよぉ」
―――― これが松の内だったら 本当に良い掛合い萬歳になるだろうにさぁ
「しっかし もったいねぇよなぁ。ここってば 本当に普段はクローズなの?」
なんせ体裁を整えすぎましてねぇ。税務署の職員さんから『これじゃぁ アプローチ練習場じゃぁなくって 本ちゃんのコースじゃぁないンですか?もしこれを営業で使ったら 利用税が発生する恐れもありますよ...』なんて しっかり釘を刺されちゃっていましてねぇ...
「はぁ?そんなのアリですか?」
◤ 『あり』なんですねぇ...
あくまでアプローチ練習場で、たまに幼稚園や保育園の子供らの園外保育やイベントで使うくらいなら問題は無い ...ってところまでの言質はとれているんですけどねぇ、
「ったく、利用税毟ることにかけちゃぁ JASRAC並みの執念てかさぁ。アイツら ホントしつこいしイヤらしいンだよなぁ」
まぁ、がたぴしする前に話を聞くことができたのが幸い。だったら 別の使い方もあるだろうって、女将と姉様で ただいま『考え中』みたいですよ。先に採用した ちぃままもあれこれの知恵を出して相談してぇるみたいですし、年明けには 面白いことになるかもしれませんねぇ、
「躓いた勢いが余って駆け出しちゃったような話だな」
「でも、このグリーン。この時期のここの標高とか考えても なかなかじゃぁないですか?ホントにもったいないですよねぇ」
うーん、なんだか気分的には お客さんの適当な踏圧のかかる本コースのパッティンググリーンの方が いい顔をしてぇる様な気がするんですよねぇ、
「あっ、それ解るわぁ。クローズが続くと、ハウスやコースの連中だけでなくて グリーンの面つきまでだらしなくなっちゃうんだよなぁ」
「やっぱり、人間もコースも 適当な負荷がかかっていないと駄目なんですよねぇ、きっと」
「誰だっけ?『年末ジャンボ引き当てたら、二日三日はニヤニヤして仕事してェたと思ったら、柳の枝の下の人魂みてぇに すぅ~っといつのまにか消えていなくなってぇて。そのまんま 一月くらいは朝寝朝酒で呑んだくれて暮らして。そのあとのこと?そんならぁ そのときに考えらぁ』なんて言ってぇたなまかぁは」
―――― すりゃ あたしだよ
「芝にはストレスかけても 自分はストレスフリーって?」
「自分勝手な人だよなぁ」
ったら、グリーンキーパーなんて皆同じ人種でしょぉにぃ、
「ちょっと待って下さいよ。暮れも押し詰まった土曜日の昼日中から 酒呑んでオダあげようかってぇあぁたとか高地の大将と 私を一緒にしないで下さいよぉ」
―――― おぃ、ちょとまて
「あっ いたいた。もぉ~ハイランダーの親方もいきなし『明日やるから 来れたら来い』じゃぁなくってデスねぇ」
「キーパー、どぉも。ご無沙汰です。更新作業以来でしたっけ?」
―――― って、やってきたのは 前のコースであたしのサブについて居てくれた、今ではそのコースのキーパーとそのサブの にぃちゃんといっちゃんであります
「なんだよ、お前ら 明日はラストコール杯の仕度が有るからとか言ってなかった?」
「あぁ、どうせこの時期大した仕度なんかできないっすから 良いんすよ」
「それよりも、今年のけじめ 着けないといけませんでしょ」
―――― やれやれ、この二人もって?あれ?
「あっ、皆さんお揃いじゃぁないですか。遅くなりましたぁ~」
「なんだよ お前ら『土日は公休で おまけにクリスマスじゃないですか』ってぇなかったか?」
「何言ってるんですか、勉強会ならプライベート資格での参加ですってば」
「あくまで プライベートですからね」
「なんだい 君たち随分と念押しするのは、誰に忖度してるのかなぁ」
「あっ、そぉ言うのナシですヨォ...
―――― やってきたのは 資材屋のタブ君に 何でもノートのノート君。いやいや お陰様で、なかなか賑やかな勉強会の『ゆく年来る年』になりそうでありますや
「あっ、ちょうど良いタイミングでしたぁ?」
―――― おぃおぃ、ヒトマワリの大将までお越しかいな...
A Golf Courase Maintenance Fable
Another Time Another Course
...From His Field Note 2017_12_23
そを人は 虚実の皮肉と云ふさうな...