【 野帳の補助線 -第134回の 四本目- 】 黒まるのコースから来たお姫様?
2017年 12月号 第134回 sibafunokurokoの『赤と黒』 より...
―――― あれは先月姉様がいたく感激した『本当にすばらしいご提案』ってぇやつでね。来期は、コースの管理指針書同様に、厨房やホール。集客や営業。そもそもの俱楽部の運営についても。それぞれに指針書を拵えてから予算書と併せて摺り合わせましょうってさ。予算書のような数字の羅列でもなく、キャッチーなフレーズ集でもない。きちんとした日本語の文章で『良きゴルファーの集う良き俱楽部』について『顧客の視点』を紐づけて表現してみましょうって宿題でねぇ...』
...で さぁ。私もこれから“しーさん”で良いですか?」
はぁ? ...まぁ しーさんでも しぃ公でも し~の字でも、しぃ太郎でも。お好きにお呼び着け下さいまし」
◤ ってか?
「いやさぁ、ちぃちゃん ...ちぃままがキーパーのこと『しーさん』って呼んでるじゃん」
―――― じゃん?
「そしたらぁ おれもやっぱり“しーさん”だよね」
―――― いやはや なんとも御念のいった入れ込みようは、先にちぃままをご紹介下すった件のくらちゃんさん。ツルトロさんが何とか委員を務めておられるコースさんで ただいま無双。なんでも今年のクラブチャンピオン杯も、何年連続でしたか しっかりキープされたそうですよ
「それよりキーパー、グリーンがさぁ。この間のツルトロさんの招待戦の時より タッチが良くなってるんじゃない? なんで?」
うぅ~ん ...たまたま ...ですかねぇ、
「えぇ?マヂでタマタマですかぁ?ツルさんがね、『キーパーはへそ曲がりも360°みたいな人だから、期待されるとさりげなく裏切って。その後にしっかりとやって見せたりもするから...』って 言ってたんですよねぇ」
―――― まったくあの親爺ってばさ...
「実際さぁ、何てンだろ。スピードはソコソコなんだけど。タッチがね。パッテンと本コースの九ホールで そんなに差が無かったんですよねぇ。本コースの九ホールだって、上り下りとかの足し算引き算しても、かなり良い感じでタッチ揃ってた。実はキーパー ...しーさん。なんかスゴイことしてみせていませんでした?」
ぃゃぁ ...グリーンキーパーとして 最高のお褒めの言葉を戴いて恐縮の限りなんですがぁ、本当にたまたま。なんかの弾み ...なんですよぉ、
「ほんとぉ?」
ぃゃ ほんと。冗談抜きで、そうなっちゃっているだけでんす。なんせ お天気商売ですんでね。時として そう云うこともおきたりしますです ...まぁ、評論的に申さば『そぉ云う迂遠のものを目指して彷徨っているうちには、たまさかに それに近きものを目にすることの出来る日の訪れることもある』 ...てなことかも知れませんねぇ、
「ってさぁ。それ、しーさん一流の煙幕じゃぁないの?ツルさんがいつも言ってるよぉ」
―――― ったく、あの おしゃべり親爺がさぁ...
...それにしても、今日は 月の第一日曜ですから。コースの競技とか イベントとか ありませんですか?ことに月改まって 師走の第一日曜ですよ。うちに来ちゃってぇて宜しいんで?
「なんだよ しーさん、随分と水臭いなぁ。前にも言わなかったっけ?おれさぁ、なんだか最近『お客を集めて一丁上がり』みたいなイベントに飽きが来ちゃってるんだって。その点 ココはナンカ違うんだよねぇ。ゴルフのプレー自体も愉しいんだけど、ここに来ること そのものが楽しみだってかさ」
◤ それもまた 最高のお褒めの言葉で...
「で、さぁ。正味の話がどぉ?彼女?張り切り過ぎて廻りから浮いてない?」
いや全然。お陰様で お客さんからもスタッフの皆からも『ちぃちゃん』『ちぃさま』 って馴染んじゃっておりますです。実際大したもんですし、良い人をご紹介いただけて ありがたい限りです
「そぉ、それを聞いてちょっと安心しましたよ。彼女が居た前のコースって、自分よりキャリアが有ったり 自分よか仕事が出来たりする新参を 忌避したり排除したりする様な嫌な職場でねぇ。彼女も随分苦労してたんですよぉ。あれ、なんてぇの? あのコースの何奴も此奴もき●たまが小せぇってかさぁ」
―――― やれやれ また●の字だよ
「なんかさ、彼女ってさぁ、感激屋さんで 頑張り屋さんで。不思議と 応援したくなっちゃうんだよねぇ。でもね。それが、こっちが応援しようとすると かえって廻りからの嫉妬や危機感や やっかみから妨害が入って、結局彼女が動きにくくなっちゃうみたいなさぁ ...でもあれか。しーさんのところなら大丈夫なのかな?大丈夫だよね?しーさん、彼女の力になってあげて下さいね。おれも、ちぃままも しーさんも 全力で応援するからさぁ」
...う~む、すりゃぁ あたしの口からは、ありがとうございますの他に 何とも申しようのないことでんす、
「前にも言ったっけ?本当にさぁ。自分の方が先に籍を置いただけってぇだけが根拠で、自分が優位だって思い込んでいるのかな?そんなちっぽけな、戯けた ...それもプライドなのかね?だったら、下っらないことこの上ないんだけど。その下っらないプライドを 相手に嫌がらせをすることで自己満足したくて?相手を困らせることが悦びで? ...なんだし やたらにマウンティングして 自分の優位を主張したがる 脳みそスカスカのバカったれが多くってさぁ...
―――― ぅわぁ~いわゆる一つの ぼろかす 云うやつですわね
...あれ、ゴルフ場ってのも、ちょっとそのあたりの意識も含めてさぁ。営業自体の、大幅な意識改革しないと 生き残れ無いんじゃぁないの?そもそも、ちゃんとマーケティングできてるコースって どのくらいあるんだろうねぇ...」
―――― すりゃ 仰る通りかもしれません
A Golf Courase Maintenance Fable
Another Time Another Course
...From His Field Note 2017_12_03 / At lunch time table
そを人は 虚実の皮肉と云ふさうな...